• アンヴァンテール

ヒビノコト3

いつかのフランスでのこと。

「あ、そうやった、そうやった。」 調べなくてはならない事柄を思い出して、思わず博多弁で呟く私。 「ソーヤッター、ソーヤッター、C'est quoi ? Qu'est-ce que ça veut dire ?(それ何?どういう意味?) 」 小声で声を潜めて呟いたのに、耳ざとい隣のフランス人にしっかりと聞かれていた。そうだった!ってフランス語でなんて訳せばいいんだろう? 「・・・ça veut dire・・・忘れていたことを思い出したときに出る掛け声みたいなものかなあ?」 異国の地で思いがけなくフランス人の口から飛び出した博多弁「ソーヤッター」は、なんだか、フィンランド語やスウェーデン語で、雪の洞窟に潜む動物の名前かのような、ミステリアスな響きと軽やかさで私の耳に飛び込んできたのでした。